Toyota Central Hospital

下関市立豊田中央病院

“この地域で暮らしていけてよかった”が

 達成感や魅力の源となる


Takahiro Yoshidomi

 

指導医/吉富 崇浩 先生


 

Profile

山口市出身

■自治医科大(平成10年卒)

■家族:既婚 妻、子ども3人

■趣味:子どもの写真動画編集

    子どものスポーツ少年団試合観戦

 



多職種連携を

深めていくことができる

 

私たちの「長州総合診療プログラム」は、へき地の中小病院や診療所を中心に、設備や人員が限られた環境で医療を提供する現場です。人員が限られているがゆえに、医師だけでなく多職種との関係が近く、チーム医療、多職種連携を深めていくことができます。

 

また地域にとって唯一の入院可能な医療機関が診療所であることが多く、地域の重要な医療拠点として責任をもって医療に従事する姿勢が身につきます。これは、総合病院や都市部の大病院では経験できにくい、主体性のある現場経験です。

 

 

 

地域の生活にあった医療の提供

感謝の言葉や達成感

 

生まれ育った地域で最期まで暮らしたい。この想いを抱く人は多く、そのためには医療はなくてはならないものです。しかしながら、へき地での充分な医師の確保は困難であり、各専門家の医療提供は非効率でストレスフルです。そのため、子どもから老人まで総合的に診療し、必要に応じて的確な連携が取れる、その地域生活にあった医療の提供ができる総合診療医こそがへき地では必要とされます。

 

地理的に不利で医療資源の限られた環境だからこそ、臨機応変に対応して得られた結果、地域住民の方の「この地域で暮らしていけてよかった」という感謝の言葉に達成感や魅力を感じます。

総合診療医のフィールドを

活かしたブラッシュアップ

 

地域で有益な医療スタイルを持続させ、求められる医療や業務を提供し続けること。現在必要とされる医療を提供しつつ、明日の地域医療を守るべく、医師確保や人材教育をおこなっていくことだと思っています。

 

明日の地域医療は明日の日本の医療を支えます。その要である総合診療医の良きフォールドとして、教育方略および環境のブラッシュアップ、働きがいのある職場環境の整備を進めていきたいと考えています。

 

 

 

 

 


日本の現状を目の当たりにして悩んだとき

総合診療の世界にであった


Takahiro Shinohara

 

専攻医/篠原 孝宏 先生


 

Profile

■下関市豊浦町出身

■自治医科大(平成24年卒)

■専攻医4年

■趣味:音楽鑑賞・読書・ギター演奏

 



▶ 総合診療医を志したきっかけ

高校2年生の頃、将来は人の役に立つ仕事がしたいと漠然と考えていました。その中で、人を癒すことができる医学に興味を持ち、医師の道へ進学しました。

 

医師3年目からいわゆるへき地の病院へ勤務することになりました。そしてそこで日本の現状を目の当たりにしました。高齢者の増加による多疾患併存MULTIMORBIDITYの増加。単一臓器を治すだけでは解決しない臨床問題。

 

医学モデルだけでは太刀打ちできない社会的・心理的に複雑な症例…初期研修医時代に学んでいた知識だけではうまくいかない現実にぶつかり、何をどのようにしたらいいのか悩みました。

 

自分で色々調べていくうちに家庭医療学に出会いました。ここで、先人達も同様に悩みを解決するための学問的体系があったことにホッとするのと同時に、心強く思えました。現在も、現場のニーズがある総合診療・家庭医療を学びつづけることは楽しいです。

▶ 現在のへき地医療の印象

当初は「へき地医療」について医師不足、過重労働などのイメージがありましたし、実際はそのような面があるところもありますが、当院は院内外のメディカルプロフェッションとの距離が近く、顔の見える関係が築きやすいと感じています。

 

豊田地域で唯一の病院であり、コミュニティ存続のためにもなくてはならない場所。地域包括ケアシステムの築きやすい環境だと思います。

 

 

 

 

 

▶ へき地医療での可能性

医師教育の場としては、医療資源が少ない分、自分の裁量権が大きくなることが大きな学びとなります。

 

困ったらすぐ紹介ではなく、悩みながら日々診察を行うので自分自身の成長に繋がっています。地域包括ケアシステムの確立など、へき地医療はまだまだ盛り上がる可能性がある、伸びしろが大きいと思います。それには教育が最も大切だと思います。

 

そのためにも、家庭医療総合診療の魅力ややりがいなどを積極的に発信し、次世代の育成に携わっていきたいです。

 


なりたいのは

医者らしくない敷居の低い医者


Naoyuki Ichimura

 

専攻医/市村 尚之 先生


 

Profile

■光市出身

■自治医科大(平成29年卒)

■専攻医1年

■趣味:映画・音楽・ゲーム

 



▶ 総合診療医を志したきっかけ

高校生のときにNHKの「プロフェッショナル~仕事の流儀」で紹介されていたのが、福井の中村伸一先生でした。その話をきいて感銘を受けました。

 

医者という「偉そうな」イメージとは正反対の親しみやすさ、人に寄り添う姿勢をみて、このような「患者さんに医者って思われない、親しみがあって敷居の低い医師になりたい、と思いました。

 

医師には色々なタイプがありますが、大きな病院の専門科で「これは診られるこれは診られない」という医者ではなくて、専門でなくてもわからないなりにでも困っている人はまず診ようよ、そういう医者になりたいと思いました。 

総合診療医は、専門に捕らわれることなく、1人の患者さんに対して何でも診ることができる点が魅力的で、自分の思い描く医師像にぴったりだと思いました。 

▶ 現在のへき地医療の印象

専門的な勉強をする機会は乏しいかもしれないが、医師は自分くらいしかいないという環境で、診たことのない症例でも経験しなければならない。そしてよほど難しいことを除けば、すべて自分で完結できる。

 

この経験をとおして、臨床医師として成長し責任感が強くなったと自分でも感じます。また、小さな病院であることで多職種(看護師、薬剤師、栄養士、事務スタッフなど)のスタッフと顔の見える関係が大病院よりも強く、「みんなで働いている」楽しい実感をもつことができています。

▶ へき地医療での可能性

やはり今後必要なのは「若い人材」だと感じます。地域を盛り上げるには若い力や若い人の意見が必要です。私もこれからの研修医をはじめとして、若い人が集まる様な病院づくりに参加したいと考えています。