寄り添い、解決に導ける医師になりたい
専攻医/市村 尚之 先生
Profile
■下松市出身
■総合診療専門医
コロナ禍で料理とギターを習得しました。
以前赴任していた豊田中央病院時代から後輩はいたので、後輩への指導のやり方は自体は基本的には変わっていませんが、直接フォロー指導するのは初めての経験となります。
以前は患者さんに対して個人が主治医として一人で対応することも多かったのですが、周東総合病院では入院患者数もそれほど多くないので、二人体制としてチームとして患者さんに対応しています。
その分専攻医と指導医の関わりがより深くなっていると思います。
自発的に判断や行動ができる人材を育てる
なかなかできていませんが、自分は比較的すぐに資料を渡したり、答えを言ってしまう方なので、やはり本人に調べさせたり、考えさせる時間を与えて自発的に行動させるというのが指導する上でもっとも大切なことだと思っています。
離島である平郡島や海のまち診療所などのへき地診療所へ1週間に1度の巡回診療も行っていますが、人口も減ってきているので医師を常駐させるというよりは拠点病院から広範囲を診るというのが山口県の意向だと思います。
離島に常駐している看護師さんからドクターヘリなどの緊急要請をしてもらうこともあり、状況に応じて自分たちで考えて適切な判断ができる力を養いたいと思っています。
明確な意見や目的を持った医師になりたい
総合診療医のような核になる人が中心にいるのが医療の理想だと思うので、その立場に自分がなれたらいいなと思っています。先日ある患者さんのご家族に「総合診療医です」と名乗ったところ、「そういう医師を探していました」と言われました。病気を複合的に抱えていらっしゃる方もいて、総合診療医という言葉を知っている方もいますが、やはり現状で認知度がまだまだ足りていないんだと感じています。
今後は、専門性を高めつつ、社会的な意義にも目を向けて修練し、高い知識や見識を持った指導医の数も増えていけばいいなと思っていますし、明確な意思や目的を持った医師に自分はなりたいと思っています。
寄り添い、解決に導ける医師になりたい
専攻医/松本 知己 先生
Profile
■防府市出身 防府高校〜自治医科大学
■専攻医1年目
周東総合病院勤務に伴い、初めて柳井市医療圏で生活をしています。最近の楽しみは、平郡島勤務で釣りをすることです。島民の方と一死所に診療後、夜釣りをするのがマイブームです。
子どもの頃に親戚や身内の人たちが亡くなり、同級生に比べると「人の死」に触れる機会が多かったと思います。
小学校2年生の時に一番身近にいた存在でもある祖父が亡くなり、当時は怖くて泣いてばかりで、何もできませんでしたが、改めてその当時のことを思うと、最後にせめて手でも握ってあげられたのではないか、もっと寄り添うことができたのではないかという後悔がずっと残っていました。
高校生の時に祖母が肺がんを患い、緩和ケア病棟で療養していましたが、その時にいた看護師さんや先生の対応がとてもアットホームな感じで、患者さんや家族に対する接し方がとても温かいものだったので、自分もそういう風に人に寄り添える人になりたいとも思いました。
防府市野島に叔父と叔母も住んでいるのですが、巡回診療しかなく医療体制が充実していない環境も身近に感じていたので、使命感というか自分も何か役に立てることができたらいいなと思っていました。
祖母の死に直面して本腰が入った
母は保健師でしたが実家はケーキ屋ですし、なんとなく医療系に興味はあり、ぼんやりと医者になりたいなと思ってはいましたが、高校の成績も中の下ぐらいだったので、自分自身も医師になるのは無理だと思っていました。
でも高校生の時に祖母の死に直面してからやっぱり医師になりたいと本腰を入れ始めて、途中から勉強を始めたので2年間の浪人を経ましたが、自治医科大学に無事合格することができました。卒業後、山口県立総合医療センターで研修医としていろんな科を担当したり、いろんな先生に付いて2年間勤務しましたが、専攻医として今年の4月から周東総合病院に勤務しています。
相談できる人がそばにいる安心感
研修医と専攻医の大きな違いは自分が主治医になるということです。症状が回復してそのまま快方して退院されると自分も嬉しいし達成感を感じることも多いのですが、その一方でなかなか良くならない方に、どういうアプローチをしていくのか、寄り添っていくのかという責任を感じることが多いので、その時に相談できる指導医がそばにいてくださるというのは大きな安心感があります。
周東総合病院はへき地の中核病院的な役割を担っているので、柳井医療圏(柳井市、上関町、周防大島町)、また平郡島や海のまち診療所を1週間に一度巡回診療をしており、医療提供範囲が広域にわたります。まだ赴任して2ヶ月なので、これからいろんな経験を積んで、何を相談されても解決に導けるようなそんな頼れる医師になりたいと思っています。
山口県の場合、自治医科大学を卒業した後は総合診療プログラムに加入する人が増えていますが、本当にやりたいことがある人は専門性を高めても良いと思います。ただ、地域医療の今後を考えてみると、実際に現場で働いて患者さんと向き合ってみると、専門じゃないからという言い訳ができない状況もあると思います。自分たちの立ち位置をしっかり把握して、自分たちの強みは何なのかを考えていきたいと思っています。
市村:元々松本先生とは5つ歳が離れているので、時期が重なってはいませんが、自分が通っていた徳山の予備校も塾も全く一緒でした。また山口県立総合医療センターにいた頃は、実際1年間一緒に内科を回ったりとかして働いていました。
松本:自分が1年生の時に、市村先生は5年生でしたよね。
市村先生を一言でいうなら「穏やかな先輩」です。
自分がここに配属が決まった時に、指導医が市村先生とお聞きしてよかったなと思いました。学生時代は特別仲が良かったとかではないですが、何でも相談できるし、一番信頼できる先輩だと思っていました。
市村:看護師さんにも「気軽に電話してください」とお伝えしていますし、なるべく聞きやすい環境にはしたいなと思っています。
松本:市村先生の口調が優しいし、自然な感じがするのでいつの間にか病棟に溶け込んでいる印象があるのでそういったところは真似していきたいなとも思っています。これといった名言は思い出せませんが(笑)。
市村:松本先生がこちらに来てまだ2ヶ月しか経っていませんが、看取りも多くいろんな経験もこれから積んでいくと思うので期待しています(笑)。
松本:主治医になってから、日々自分の判断があれでよかったのかと葛藤する毎日です。
でもそういった自分もモヤモヤした気持ちも含めて、市村先生が受け取ってくださり、具体的なアドバイスや次のステップも伝えてくださるので大変助かっています。やっぱり地域に出てみないと地域のことはわからないので、学生や研修医の時からそういった機会があるものには積極的に参加して、実際の現場に触れてほしいなと思っています。いざ働きはじめると、地域医療の切実な状況を日々感じています。
市村:しっかり目的や意義を考えながら働いてほしいなと常々思っています。今は考え方も多様化していると思いますし、途中で考え方も変わってきてもいいと思っています。これが正しいという自分らしい道や生き方があれば、しっかり考えて選択してほしいなと思います。
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