これからの“総合診療医ロールモデル”を築くのは、
チャレンジするひとりひとり。
指導医/原田 昌範 先生
Profile
■山口市周南市出身
■自治医科大(平成12年卒)
■家族:既婚 妻、子ども3人
■趣味:旅行
確かな成長をサポート
本プログラムには、へき地医療の経験のある指導医と、多くの専攻医がいます。私たちには旧プログラムからあわせると8年の実績があり、経験値を共有し、人財が活躍しています。また、本プログラムの卒業生が指導医に在籍し、志を同じくする同志としてさらなる地域医療レベルの向上を目指しています。
本プログラムの活動について、県や各市町村などの自治体からしっかりサポートがあることも大きなアドバンテージです。
自治体、そして地域住民、プログラムスタッフや仲間からなどのあたたかなつながりとサポートが、医師としての成長をのびのびと促す大きな魅力になっていると感じています。
地域を見守っていくということ
山口県は全国でもトップの医師不足地域であり、医学的なプロフェッショナルとしてのニーズは強くあります。その上で、「健康的な生活の実現」へのさまざまな課題について、診療だけではなく心理的・社会的課題への視点を持ち動ける「総合診療専門医」が必要とされています。これからの高齢化・孤立化する社会において、それはますます明確になってくるでしょう。
そのようなへき地医療の魅力は、地域住民との距離が近いことでしょう。「病気を治す」事を通して、地域の人たちの生活そのものを感じ、地域を見守っていく視点が求められ、地域の人と喜びを共有する。これはへき地医療という舞台の大きな魅力です。
私は、医療資源の足りない地域でも住み慣れた場所で自分らしく暮らしつづける人を支えていく、そんな医師でありつづけたいと思っています。へき地医療を守るために、同志を募り、「医療支援」「仕組みづくり」「次世代の育成」を推進して、明日へバトンを繋いでいくこと…これが私のミッションです。
今は総合診療の領域に飛び込む若者は少ないのが現状ですが、これからの日本の将来を考えると「総合診療」が必要不可欠な時代が必ず来ると私は確信しています。逆に、いま、目の前にあるさまざまな壁をひとつひとつ乗り越えていくことは、将来の総合診療のリーダーとして求められる資質につながる貴重な経験になるとも。
「総合診療医のあるべき姿」を築いていくのは自分たちひとりひとりであると意気に感じ、自分で枠を決めずにいろいろなことにチャレンジしてほしいと思います。
10年後20年後の山口県には、20~50人の総合診療専門医が、へき地医療はもちろん山口県の地域医療を支える核となっていると期待しています。
患者さんの、そして医師である自分の“自分らしさ”
それを考えつづけることを大切に。
指導医/中嶋 裕 先生
Profile
■山口県防府市出身
■自治医科大(平成14年卒)
■家族:既婚 妻、子ども2人
■趣味:ジョギング、子どもと過ごすこと
マルチな資質をのばせる
本プログラムは、ひとつの医療機関だけを担当するわけではありません。「へき地診療所」「小規模病院」「救命救急センターのある大規模病院」など、それぞれのスタイルをもつ医療機関での診療を経験していきます。
それによって、へき地をささえる様々な診療ニーズの多様性、その場で必要とされるスキルを多角的に学び実践できるのです。
多くの関係者や必要な連携機関とコミュニケーションをとり、目の前の患者さんや地域の住民にとって最適な診療や生活支援をおこなうマルチな資質をのばしていくことができます。この点も、本プログラムの利点だと考えています。
幸せにする役割がある
そこに暮らす人たち、また家族などの関わる人たちに対して、医療という面からアプローチして役立てること。
へき地での診療は、受診される患者さんの「病気を治す」だけではなく、家族との関係、社会の中での生活を支える視点を持つことで「生活そのもの」を健やかに幸せにしていくという役割があります。
そのプロフェッショナルが「総合診療専門医」です。地域の方々安心と信頼が、医師のやりがいや喜びにダイレクトにつながることが魅力だと思います。
考えながら学ぶこと
これからの私のミッションは、地域医療を軸に在宅医療や包括ケアにもっと現場で関わることができる医療を展開することです。いろいろな「ところ、人、こと、をつなぐ」ことがいちばんの役割だと思っています。
若いみなさんにお伝えしたいのは、「患者さんその人らしさを大切にしてほしい」ということ、また、「自分自身の自分らしさも大切にしてほしい」ということです。
「自分自身の自分らしさ、とはなんだろう?」…それを考えながら、ずっと学びつづけてほしいと思います。
自分なりの言葉にして
実践し、立ち止まって振り返りながら、
目の前の患者さんや地域に向き合っていってほしい
指導医/宮野 馨 先生
Profile
■山口県山口市出身
■自治医科大(平成17年卒)
■家族:既婚 妻、子ども3人
■趣味:硬式テニス
自らの行動の影響を実感できる
へき地医療機関では慢性的に医師不足です。赴任すると若手であっても責任ある立場を任され、主体的に行動する力が求められます。責任ある主治医になることは簡単ではありませんし、それなりの覚悟が必要です。しかしこの機会は、専攻医に大きな成長を与えてくれます。
もう一つの利点は、小さな地域・小規模の医療機関であるため自らの行動の影響を実感しやすいということです。若手でも様々な診療、企画、保健活動に主体的に関わるので、成果や効果をダイレクトに実感する場面が多くあります。これは大きなメリットであり、モチベーション維持につながっています。
生活を支える力になれる
へき地は超高齢化社会であり、独居・老々介護なども増えています。そのような中、医師としては病気を診るだけでは解決できないこと、あるいは医学的に正しいことが必ずしも幸せにつながらない場合に多く遭遇します。自然と、「人を診る、生活を支える」ことを大切にするようになり、「『医学』ではなく『医師』だからできること」という役割があることに気づきます。
包括的、地域ケアの窓口になり、生活を支える力になれる実感があるというのは、地域医療の大きな魅力です。そして「私には先生しかいない」という環境はときにシンドイですが、大きなやりがいにつながると思います。
向き合っていく
私が考える「総合診療専門医」のイメージは、診療の場にかかわらず、病気を診るだけではなく、患者やご家族の想いに寄り添い、一緒に考える事のできる医師です。そのための「知識・技術・態度」を後進のみなさんと一緒に学んでいきたいと考えています。
家庭医・総合医を特徴づける能力に「近接性・継続性・包括性・協調性・責任性」があります。それらを自分なりの言葉にして、実践し、ときに立ち止まって振り返りながら、目の前の患者さんや地域に向き合っていただければ、ステキな医師にきっとなれる。期待しています。
人をまるごと診る、人にまるごと支えられる。
それが“へき地診療”
指導医/横田 啓 先生
Profile
■千葉県出身
■自治医科大(平成20年卒)
■家族:既婚 妻、子ども1人
■趣味:子どもと公園を散歩すること
密接な関係を築くことができる
へき地地域の医療機関では、患者さんとの距離感が近く、より密接な患者―医師関係を築くことができます。
近隣に医療機関が乏しい地域で継続的に診療する中で、信頼感のあるつながりがあたたかく感じられ、患者さんからの期待に応えようとすることで、日々の診療に対するモチベーションを高めることができます。
医療に立ち向かう力になる
医療資源が乏しいへき地では、患者さんに対して包括的に(まるごと)診る姿勢が不可欠です。また、患者さんからあたたかい声をかけていただき、やりがいを感じる場面が多いことが魅力だと思います。医療者は包括的に患者さんを診ると同時に、地域の同じ住人として受け入れられて育てていただいている、そのようなあたたかな交流が感謝を生み、医療に立ち向かう力となっています。
つくっていく
私自身は,患者さんの困りごとに耳を傾けて、ご本人の望む暮らしを支えることができる医療者になりたいと考えています。また、患者さんの家庭や住んでいる地域も視野に入れて、行動できる医療者、が理想です。
私たちと共にへき地地域を支える「プライマリケア」を志す医療者がこれからどんどん増えるように、ここで魅力的な研修プログラムを作っていくことも、大きなミッションです。
総合診療専門医を志すみなさんには、患者さんが何でも気軽に相談できる医療者になってもらいたいと思います。また、医学的な側面のみならず、心理的なこと、社会的な事にも目を向けて、いろいろな職種の人と一緒に話し合って協力し、動いていくことを学んでいただければと思います。
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